2023/5/8 【ブログ】
【ガイドの小箱】矢部の「綱掛け」三年ぶりのにぎわい ~Mさんより~
(毎年5月5日に行われる豊作祈願のお祭りで、前日の5月4日から準備が始まります)
<5月4日 準備>
一年間村を守ってきた綱は、早朝から取りはずされて、杵都岐神社境内の作業場へ。
この綱は来年1月成人の日、早朝4時のトンドで燃やされる。
※「村人から初めて聞いた話」
古く、4時のトンドは早すぎるので点火時間を遅くしたところ当時は藁屋根の多い家が多く、火の粉が移ってボヤ騒ぎとなったことから、元の時間にもどしたという。
稲わらをナメス(柔らかくする)作業。
ズイだけを使うので余分な藁は爪状の道具でカキおろし、横ヅチなどで叩いて柔らかくする。
※かつては「もち米」の藁を使ったという。
藁の背丈が長く細工し易いとのことだが、今はもち米を耕作する人がいなくなったので稲わらを使っているという。
綺麗にされた綱掛け場。明日の綱掛けを待つ。
綱つくり作業。午前10時から午後3時頃までかかる。
当日綱の頭に取り付けられるミニ農具などの入った篭。左は「伊勢音頭」ながすためのラジオカセット。
飛鳥川左岸に「栴檀の木」が6本ほど薄いピンクの小さな花をつけて茂っている。
右が矢部集落。遠くに畝傍山が。
このセンダンの木「さらし首」の木といわれている。
虫よけ匂いけし等といわれていた。
たぶん「魔除け」「悪霊除け」にと思われる。
秋には沢山の実がなってヒヨドリや百舌鳥が賑やかに啄ばむ。
これが綱掛けの頭に添えられている。
鍵の蛇巻きも同様だ。
<5月5日 当日>
綱の巡行は11時頃ときいていたが、10時半にはすでに出発。
薄曇りのうってつけの日和となった。かつての賑わいを取り戻した。
結婚・出産・新築のほか目出度いごとのあった家、お年寄りは健康で長生きをなど家人をも巻き込んで祝ってまわる。
到着した綱は、矢部自治会2組の男衆によって架けられる。
融通念仏宗安楽寺の住職よる導師のもと関係者の焼香、閉めは『村の水利代表』が。
この行事は「水の神」の行事だという。