2024/5/5 【ブログ】
唐古・鍵考古学ミュージアム 企画展 「宮古平塚古墳にみる王権」
唐古・鍵考古学ミュージアムで5/26まで開催の企画展「宮古平塚古墳にみる王権」。
同館学芸員の柴田さんから特別解説を受けられるチャンスがある、と聞いて行ってきました。
今回の目玉は、全国で初めて完形で出土した「太鼓形埴輪」。
それ以外にも、町周辺で出土した埴輪について、丁寧に教えていただきました。
円筒埴輪は、突帯(とったい:粘土の帯、タガ)や透孔(すかしあな)、表面の刷毛目(はけめ)の様子、などで製作年代が分かるそうです…
ほかの土器についても、「いつ作られたのか?」を見分けるためのヒントをいただき、大変参考になりました。
埴輪の多くは土の焼き物ですが、木製のものもあります。
いよいよ「太鼓形埴輪」の登場です。
現代の和太鼓とほぼ同じ形状で、「持ってみたい!」と思わせる美しさ。
淡く優しいミルクキャラメル色をしています。
鋲(びょう)止めの表現は少ない数ですが、製作にあたって省略された可能性があるそうです。
「この穴(透孔)から手を入れて…」「(格子状の圧痕があるので)きっとゴザの上に置いて…」と作り方もお話くださいました。
→→ 展示図録(¥400)に詳しいです。ぜひお求めください
水気の多い場所に埋まってうまく中に泥が入りこんだことで、壊れず発見されたようです。
太鼓は軍事や儀礼用の楽器と考えられており、被葬者は「太鼓の演奏者」か「太鼓の製作者」と推測されるが、どちらかと言えば前者の予想かなあ、とおっしゃっていました。
「馬形埴輪」の中を拝見。
接合部に補強を施すこだわりなど、製作者の工夫や意図が見えて興味深い展示です。
人が思いを込めて作っていたのだなあ、と実感できます。
最終的には15名くらいの方が、柴田さんのご案内で理解を深め、楽しみながら観覧されていました。
1つ1つの展示を、丁寧に嚙み砕いて平易に説明してくださったので、本当にわかりやすかったです。
<お知らせ>
明日5/6(月・祝)14時から、柴田さんの特別解説がもう一度あります!
参加ご希望の方は、観覧券をお求めのうえ、企画展会場前でお待ちください。
(途中参加・離脱もOKです)
<おうちで楽しめるペーパークラフトのご紹介>
埴輪を作るのは大変なので…ペーパークラフトはいかがでしょうか?
「(NHK教育テレビ『おーい!はに丸』に登場する)ひんべえじゃないか!」とSNSでもちょっとバズった「馬形埴輪」や「唐古・鍵遺跡 復元楼閣」、今回展示の「太鼓形埴輪」ほか、おうちで型紙をダウンロードして、楽しんでください✂
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唐古・鍵考古学ミュージアム「つくってみよう!」
https://www.town.tawaramoto.nara.jp/karako_kagi/museum/10687.html