2022/6/6 【ブログ】
【レポート】鍵と今里の蛇巻
毎年6月の第1日曜日に行われる「鍵」と「今里」の「蛇巻」が、昨日6月5日(日)に行われました。
「蛇巻」は、豊作祈願と共に男の子の成人を祝う農耕儀礼の行事です。
本年度も、感染症拡大防止の観点から、手順を一部省略しての縮小開催となりました。
国の選択無形民俗文化財「大和の野神行事」にも選択されている大切な地域の伝統行事をこれからも継承していくため、「来年こそはいつも通りに行いたい」と、両地区の当家さんたちがおっしゃっていました。
同日に行われる「鍵」と「今里」の「蛇巻」ですが、午前中から準備を始めて早めに進行する「鍵」を見たあと、13時から準備開始の「今里」を時間差で見学することが可能です。
蒸し暑く雨も心配される中でしたが、両地区とも無事に行事を執り行われました。
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【鍵の蛇巻:八坂神社~はったはん】
稲わらと麦わらの両方を使用しています。
頭(かしら)が大きく(200~300キロくらいはありそうです)、後ろの綱は短めです
13歳から15歳の男子(今の中1から高1の男子)が「頭持ち」を務めます
八坂神社を出発。今年はトラックも使い、「はったはん」まで運びます
「慶び事」のあった家の前に到着(後述)
青竹の先に、ミニチュアの農機具模型が入った「ドサン箱」をはさみ、地区内で今年「慶び事(新居・結婚・出産など)」があった家の玄関に差し入れ、「おめでとう」と手を叩いて祝して、祝儀をいただきます
はったはんに到着
『下り⿓・降り⿓』頭は南の方に、尾を恵方(今年は北北西)に向けて木に巻き付けます
ボンサン膳(お供え物)
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【今里の蛇巻:杵築神社】
麦わらを使った蛇綱は、頭は小さく綱を長く作ってあり、20mくらいはありそうです
境内を3回まわります
クレーンで引き上げ
『上り龍・登り龍』エノキの大木に、頭を上に、恵方(今年は北北西)向きにして、「八大龍王」に因み、後ろの綱を8回巻き付けます
「八大龍王」の祠には、絵馬(牛と馬)・農耕機具の模型のほか、スルメ・洗い米・水・塩も三宝に盛り、酒も一緒に供えます。
祠の前に集まって行事終了の感謝を申し述べた後、直会が行われます
▣蛇巻(鍵)
▣蛇巻(今里)